[ 2010/07/15 ]
コレステロールの増えすぎは様々な生活習慣病の原因に LDLコレステロールが増えすぎると、血液がドロドロになるだけでなく、血管にダメージを与え、欠管を硬くしたり、コレステロールの塊を作って血管の詰 まりを引き起こしたりします。この様な状態を動脈硬化を言い、虚血性心疾患や脳血栓の一因です。また、残念ながらLDLコレステロールは増えすぎても自覚 症状がありません。そのため危険性に気付かない事が多く、気付いた時にはかなり深刻な状態になっている事もあります。 コレステロールを下げるには、食事と体内合成の両面から コ レステロール値が気になる時は、食事から摂る脂質だけに注意すれば良いわけではありません。コレステロールは、本来体に必要なもの。その為、毎日肝臓で合 成されている成分です。その量は、体重1KGあたり12〜13mg、つまり体重50kgの人なら1日600〜650mg合成されています。さらには、体内補給が一定に保たれる様に調整機能が働いている為、食事からの摂取量を減らしても、その分肝臓での合成量が増えてしまう事に。その為、体内のコレステロール値対策は、食事からの摂取と体内合成の両方から行う必要があります。 コレステロール低下に役立つ紅麹と植物性ステロール LDLコレステロール値低下に役立つと言われるのが次の2つの成分です。紅麹は、 日本酒や味噌、漬物などの醸造・発酵食品に使われるお麹の一種。紅麹にはスタチンと呼ばれる成分が含まれており、これがコレステロール合成に関わる HMG-COA還元酵素の働きを阻害する事で体内のコレステロール合成を抑えると考えらています。スタチンの働きはLDLコレステロールのみを減少させ、 HDLコレステロール値をほとんど変化させないのが大きな特長。その為、血中コレステロール値を下げる薬として世界中で利用されている成分です。 植 物性ステロール 一方、コレステロールが体内に吸収されるには、親水性の膜を通過する必要があります。しかし、脂質の一種であるコレステロールは水となじ まない為、そのままではこの膜を通過する事が出来ません。そこで、胆汁酸ミセルという物質に取り込まれる事で膜を通過し、体内に蓄積されます。 この胆汁 酸ミセルにコレステロールの代わりに取り込まれる性質をもつのが、穀物や野菜、豆類などに多く含まれる植物性ステロール。コレステロールと構造が似ている 為、代わりに取り込まれる事でコレステロールをはじき出し、吸収を阻害してくれます。植物性ステロール自体は取り込まれても吸収はされず、ほぼ体外へと排 出される為、コレステロールが増える事はありません。 予防の基本は毎日の食事と運動 脂肪の摂りすぎによる健康への影響は、すぐに体を現れるわけではありま せん。しかしながら、コレステロールの増えすぎは長い年月をかけて身についた食習慣によって起こるものだけに、数値に異常に気付いてから食生活を直そうと しても、なかなか変えられない事もあります。こってりした食事を控え野菜を多くする、3食きちんと食べる、ウォーキングや水中運動を行うなどの有酸素運動 を行うなど、毎日の生活を少しずつ見直して行くのが理想と言えます。 |