[ 2010/11/25 ]
1、原因 ヒトパピローマウイルス(HPV)は、100種類の遺伝子型に分類され、40種類が性器や口腔粘膜などに病変を作る。 HPVは、性行為によって子宮頸部 に感染するが、感染自身は非常にありふれた現象で性交渉の経験のある女性であれば、80%くらいが、50歳までに一度は感染を経験する。HPVは、子宮頸 部上皮の基底細胞に感染するが、血管や上皮下の組織には侵入しない。そのため、感染してもHPVに対する抗体が産生しにくいのが、特徴である。HPV感染 の多くは一過性で90%が2年以内に陰性化するが、持続感染を起こした場合には、HPVのDNAが細胞の核に組み込まれ、その一部が前癌病変である異形 成、さらには頸癌に進展する。 HPVの持続性感染から癌に進行する危険因子としては、HPV16型の感染、喫煙、免疫不全状態、免疫能を抑制する薬剤(ステロイド)の使用などが指摘されている。 2、免学 世界的には、 毎年約50万人が子宮頸癌を発症し、約26万人が死亡している。わが国では、毎年約8000人が湿潤癌に、約7000人が上皮内癌に 羅患し、約3500人が死亡していると推定されている。わが国における頸癌の大きな特徴は、若手層の羅患率が急上昇していることである。 3、臨床 0期〜Y期 進行期と診断 0期、1a期 治療成績が良好、早期癌、HPV感染から、異形成、早期癌までは症状なし 1b期以上 不正性器出血、悪臭帯下、腹痛、無尿、漏尿、下肢の浮腫 診断 細胞診 、HPV遺伝子診断、コルポスコピー検査、腫瘍マーカー、MRI, CT,・・・・・ 治療 0期 1a期・・・・・ 円錐切除、 1a2期 ・・・・・骨盤リンパ節郭清 1b期 U期 ・・・・・手術 広汎子宮全摘出術+骨盤リンパ節郭清 V期 ・・・・・・放射線療法、化学療法 Yb期 (遠隔転移)・・・・・化学療法 4、予防 1 子宮頸癌検診 2 子宮頸癌予防ワクチン 3回接種 50、000〜100、000円 今後公費負担がどの程度使われるかが接種率を大きく左右する |