[ 2013/07/05 ]
伝染性膿痂疹(とびひ)
疾患 伝染性膿痂疹は細菌による皮膚感染症です。 虫刺されや引っかき傷に細菌が感染して起こります。 黄色ブドウ球菌による水疱性膿痂疹と、化膿性レンサ球菌による痂皮性膿痂疹に大別されます。
水疱性膿痂疹は水疱を主体とする病変で、乳幼児に多く発症し、夏季に多く見られます。
痂皮性膿痂疹は痂皮を主体とする病変で。季節・年齢に関係なく発症し、発熱などの 症状も見られます。
治療
A 抗菌薬の内服とともに局所に抗菌外用薬や亜鉛華軟膏を塗布します。 抗菌薬の選択にあたっては、細菌培養・同定・感受性試験を行います。
B 水疱性膿痂疹 黄色ブドウ球菌に感受性のある経口セフェム系が第一選択です。 湿潤がとれても紅班が残る場合はステロイド外用薬に亜鉛華軟膏を重層してガーゼで 覆い、拡大、増悪を予防します。 なお、近年多くの黄色ブドウ球菌はゲンタシン耐性であり、ゲンタマイシン含有ステロイド 外用薬の安易な使用は控えるべきです。
C 痂皮性膿痂疹 ペニシリン系が第一選択です。 厚い痂皮が固着する場合は、亜鉛華軟膏を貼付して早めに除去します。
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