[ 2020/6/19 ]
2,臨床像
多くの症例で発熱、呼吸器症状(咳嗽、咽頭通、鼻汁、鼻閉など)、頭痛、倦怠感などがみられる。下痢や嘔吐などの消化器症状の頻度は多くの報告で10%未満であり、SARSやMERSよりも少ないと考えられる。 初期症状は、インフルエンザや感冒に似ており、この時期にこれらとCOVID-19を区別することは困難である。嗅覚障害、味覚障害を訴える患者さんが多い事も分かってきた。 イタリアからの報告によると約3割の患者で嗅覚異常または味覚異常があり、特に若年者、女性に多い。 中国では発症から医療機関受診までの期間は約5日、入院までの期間は約7日と報告されており、症例によっては発症から1週間程度で重症化してくるものと考えられる。 更に重症化する事例では10日目以降に集中治療室に入室という経過をたどる傾向がある。 発症から1週間程度 かぜ症状、嗅覚味覚障害 80% 軽症のまま治療 発症から1週間〜10日 呼吸困難、咳・痰 20% 肺炎症状が悪化し入院 発症から10日以降 人工呼吸管理など 5% 集中治療室へ 2〜3% 致命的 【重症化のリスク因子】 高齢者、基礎疾患(糖尿病・心不全・慢性呼吸器疾患・高血圧・がん) 、喫煙歴のある患者では致死率が高い 【合併症】 若年患者であっても脳梗塞を起こした事例が報告されてあり、血栓症を 合併する可能性が指摘されている。又、軽症患者として経過観察中に突然 死を起こす事があり、これも血栓症との関連が示唆される。小児では、川 崎病様の症状を呈する事例があることが欧米から報告されている。 |