[ 2020/9/16 ]
以下に、重症度分類及び重く症度別の支持療法について記載する。また、気管挿管による人工呼吸における注意い点をまとめる。なお、感染症病床で重症例の治療を実施できない場合には、集中治療室(ICU)などの別の病床、あるいは他医療機関への転院を含めて、都道府県や管轄保健所と相談する。 1、重症度分類(医療従事者が評価する基準) 軽症 呼吸器症状なし、咳のみ息切れなし 多くが自然軽快するが、急速に病状が進行することもある リスク因子のある患者は入院とする 中等症 1 (呼吸不全なし) 息切れ、 肺炎所見 入院の上で慎重に観察 低酸素血症があっても呼吸困難を訴えないことがある 患者の不安に対処することも重要 中等症 U 酸素投与が必要 呼吸不全の原因を推定 高度な医療を行える施設への転院を検討 ネーザルハイフロー、CPAPなどの使用をできるだけ避け、エアロゾル発 症を抑制 重症 ICUに入室or 人工呼吸器が必要 人工呼吸器管理に基づく重症肺炎の2分類 L型 肺は柔らかく、換気量が増加 H型 肺水腫で、ECMOの導入を検討 L型からH型への移行は判定が困難 注意 COVID-19で死亡する症例は、呼吸不全が多いために重症度は呼吸器症状(特に息切れ)と酸素化を中心に分類した SpO2を測定し酸素化の状態を客観的に判断することが望ましい 呼吸不全の定義はPaO2≦60mmHgであり、SpO2≦90%に相当するが、SpO2は3%の誤差が予測されるのでSpO2≦93%とした。 肺炎の有無を把握するために、院内感染対策を行い、可能な範囲で胸部CTを撮影することが望ましい。 軽症であっても、症状の憎悪、新たな症状の出現に注意がある。 ここに示す重症度は中国や米国NIHの重症度とは異なっていることに留意すること
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